店に並んだ日本酒と焼酎、もし同じ棚に並んでいたらパッとみてどちらかわかりますか?
同じ1升ビンや4合ビンに入ってます。
ラベルのデザインや銘柄のネーミングも似ているものがあります。
ラベルをよく確認しないと、間違って買ってしまうことがあるかもしれません。
今回は、そもそも日本酒とはどんなお酒なのか、焼酎と何が違うのかレポートします。
日本酒とは
お酒を大きく分類すると、その製法から「醸造酒」と「蒸留酒」に分けられます。
醸造酒は原料を酵母の力でアルコール発酵させたお酒です。
一方、蒸留酒はその醸造したものを加熱し、蒸発した気体を取り出して造ったお酒です。
日本酒は「醸造酒」、焼酎は「蒸留酒」に分類されます。
日本酒と焼酎は見た目は似ていますが、製法で見ると日本酒はビールやワインの仲間ということになります。
一方、焼酎はウイスキーやブランデーの仲間となります。
歴史
実は日本酒の起源はよくわかっていません。
米を醸造したお酒は、紀元前より造られていたと考えられています。
としたら、2,000年以上、もしかしたら3,000年以上も前から造られていたのかもしれません。
日本での焼酎のルーツは球磨焼酎といわれています。
球磨焼酎は「500年の歴史が・・・」と語られていますので、焼酎の方が新しいお酒といえるようです。
どちらも日本の文化の中で育まれてきたため、似たようなビンに似たようなラベルとなったということでしょう。
日本酒と焼酎の共通点
日本酒も焼酎も麹菌と酵母を使って造る点は同じです。
麹菌が蒸し米の中で酵素をつくり出し、この酵素が米に含まれるデンプンを分解してブドウ糖に変えます。
ブドウ糖を酵母がアルコールに変えます。
ワインの場合は原料であるブドウに糖分があるので、デンプンを糖化させる必要はないということです。
ただし、焼酎の場合は米を原料とするのは少数派で、さつま芋や大麦を使うのが主流となっています。
原料の違い
日本酒も球磨焼酎も原料として米を使う点は同じです。
ただし、日本酒の場合は酒造専用の米が使われています。
日本酒を造るときは雑味を除くために、米の表面を食用米より多く削っています。
そのため、食用米より粒の大きい品種を使います。
例えば、大吟醸という種類の日本酒は、米の表面の70%を削ってしまい中の30%だけを原料とする場合もあります。
球磨焼酎の場合はほとんどの銘柄が食用米と同じ品種から造られています。
原料にこだわった銘柄の球磨焼酎は、食用米としても特においしいお米を使っていることが多いです。
日本酒と球磨焼酎は、麹菌についても少し違っています。
日本酒では「黄麹」が使われています。
もともと日本には「黄麹」しかなく、100年くらい前までは焼酎も「黄麹」を使い造られていました。
「黄麹」は雑菌の繁殖を抑えるクエン酸を分泌しないため、温度が低い冬に酒造りをしていました。
ところが、焼酎造りの本場である九州では冬場でも暖かく管理が大変でした。
泡盛で使われていた「黒麹」はクエン酸を作りだし雑菌を抑えられるため、九州よりさらに暖かい沖縄で酒造りを可能としていました。
「黒麹」の培養に成功してから、徐々に九州の焼酎造りに使われるようになっていきます。
この「黒麹」から生まれたのが「白麹」です。
「白麹」は「黒麹」同様クエン酸を分泌します。
さらにスッキリと飲みやすい焼酎に仕上がるため、焼酎ブームの時に一気に広がりました。
現在、球磨焼酎では「黄麹」「黒麹」「白麹」のどれもが使われています。
主流は「白麹」となっています。
アルコール度数
日本酒などの醸造酒は、どんなにアルコール度数を高めようとしても20度が限度といわれています。
一方焼酎などの蒸留酒は、アルコールを蒸留して取り出すため醸造酒よりアルコール度数は高くなります。
一般的に市販されている日本酒のアルコール度数は15度くらいなのに対し、焼酎は25度のものが主流です。
日本酒はアルコール度数が低い分、同量中に含まれるカロリーは焼酎より低くなります。
また、アルコール度数の違いで飲み方も変わってきます。
日本酒はストレートで飲むのが一般的なのに対し、焼酎はお湯や水で割って飲まれています。
まとめ
日本酒と焼酎は似ているところもありますが、本質的には違うものです。
もちろん、香りや味わいそして楽しみ方も違います。
お買い物の際は間違ってお求めになることがないようにしてください。
しかし、どちらも奥深く楽しめるお酒なので、飲み比べをしてみるのも面白いですよ。
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