ブドウの栽培には様々な要因が絡み、解明されていない部分も多くあります。
ワインはブドウの特徴と深くかかわりがあるため、国や地域ごとに個性のあるワインが造られています。
こうした自然条件などにより、ワインが受ける影響を調べてみました。
気候とワイン
同じブドウ品種を栽培するのでも、温度が低いと糖度が上がらず、酸度が高くなります。
逆に温度が高いと糖度が増し、酸度が低くなります。
出来上がったワインもブドウの特性が出たワインになります。
例えば、ブドウ栽培の北限とされるドイツのワインは、酸が強く軽やかさが特徴です。
一方、暑いスペインのワインはアルコール度数が高くリッチな味わいが特徴となります。
ただし、これは一般的な傾向を表したものです。
ワインの特徴はブドウの個性のほかに、ブドウの収穫時期も影響を及ぼします。
他にも多くの条件でブドウの出来具合は影響を受けます。
一概に寒い国のワインは酸味が強く軽やかな味わいで、暑い国ワインはアルコール度数が高くて丸い味わいだとは言い切れません。
天候とワイン
ブドウを同じ土地で、同じ品種を、同じ時期に、同じ栽培方法で作ったとしても天候は毎年変わります。
農産物であるブドウの味わいには、その年の天候が反映され、結果としてワインにも影響します。
同じ銘柄でも、暖かかった年のワインは果実味豊かでまろやかに、寒かった年には酸がしっかりして軽やかになるといったことが起こります。
ブドウが収穫された年によってワインの味わいが変化するのは、当たり前のことなのです。
天候に恵まれ、よいブドウができた年のワインを「ヴィンテージ」といい、通常の年より高値で取引されることがあります。
土壌、地質、地形とワイン
畑や村がブランド
特にヨーロッパでは、ブドウの品種よりもどこでブドウを作ったかを重要視するようです。
畑の名前や、村の名前がラベルに記載されていますし、そのままワインのブランド名となっていることがあります。
法律でもAOCといって原産地呼称にこだわるのは、どこでブドウを作るかにこだわっているからです。
それほど、ブドウにとって土壌や地質、地形は重要ということでもあります。
ワインの個性はブドウがどこで育ったかによって決まると考えられているのです。
土壌、地形、地質
ブドウは一般的には、やせた水はけのよい土壌を好むといわれています。
これも、品種によって違うので一概に当てはめるのは間違いのようです。
ブドウは地下10メートル以上も深く根を伸ばすこともあります。
表層の土壌だけでなく、深いところの地質も影響を及ぼすということです。
畑の向きや傾き、水はけ、風通し、微妙な自然条件の違いでブドウの熟し方が変わるため、ワインの味わいに影響を及ぼすといわれています。
人的条件とワイン
ブドウの栽培においては、作る人の個性も出ます。
濃埴度、選定の仕方、栽培管理のやり方、収穫時期などは、ワイン法によって決められている場合もありますが、細部は栽培者が判断しています。
さらに、ワインを醸造する際の設備や方法も、ワインの香りや味わいに影響を与えます。
最後に熟成方法や熟成する場所の温度や湿度も同様です。
まとめ
こうしてみると、実に多くの要素が絡み合ってワインができあがります。
中には科学的に解明されていないこともあり、ブドウはミステリーに富んだ果物といわれています。
ブドウ作りからの様々な過程を思い浮かべて飲むと、さらに奥深くワインを楽しめると思います。
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