日本酒の種類 その2 いろんな分類

日本酒

前回は日本酒を酒税法の基準を使って分類しました。

日本酒のラベルを見ると他にも焼酎と違ういろんな表示があり、まだ戸惑うところがあるかもしれません。

今回は日本酒のいろんな分類の仕方についてまとめてみました。

生酒の分類

日本酒は通常2回火入れをしますが、火入れをしないものを生酒といいます。

1回だけ火入れをするものもあり、火入れのタイミングで分類されます。

貯蔵前火入れ出荷前火入れ
通常の日本酒
生酒××
生貯蔵酒×
生詰酒×

火入れをすると発酵が止まり日本酒の味が立ちます。

火入れをしないととろみのある酒になります。

生酒はとてもおいしいのですが、味が変わりやすく常温保存ができません。

生貯蔵酒は生酒のままタンクに貯蔵し、出荷前に一度火入れをしてから春から夏にかけて出回ります。

生詰酒はタンク貯蔵前に一度火入れをし、そのまま熟成させたものです。

甘口と辛口

酒米には糖分はありません。

麹を使って発酵させ、デンプンを甘みの元となる糖へ変えます。

同時に酵母が糖をアルコールや酸にどれくらい変えるかで甘みが違ってきます。

日本酒のラベルの表示に日本酒度というものが表示してあります。

日本酒度は

糖分の多いものが-

糖分の少ないものが+

で表示されます。

日本酒の味わいは糖分だけでなく、酸度やアルコール度数も関係します。

日本酒度はあくまで甘辛の目安です。

+6.0〜大辛口
+3.5〜+5.9辛口
+1.5〜+3.4やや辛口
-1.4〜+1.4普通
-1.5〜-3.4やや甘口
-3.5〜-5.9甘口
-6.0〜大甘口

熟成期間での分類

新酒

秋に収穫した米で、冬仕上がったばかりの日本酒です。

フルーティーで華やか、フレッシュな味わいです。

古酒

古酒は長期熟成酒ともいいます。

3年以上酒蔵で熟成させた日本酒のことです。

酸味と苦味、旨味が濃厚でまろやかなのが特徴です。

古酒の香りは熟した果実や木の実や香木のような香りなど様々です。

色合いも琥珀色、赤い褐色に近いものなど銘柄によって個性があります。

搾り方と出荷時期

日本酒は搾り方や出荷時期によっても味わいが変わります。

同じ銘柄でも季節によって違う種類が出回りますので参考にしてください。

あらしぼり

日本酒を搾るとき最初に出てくる白く濁った部分を詰めたものです。

フレッシュな香りです。

新酒の時期に出回ります。

おりがらみ

搾ったばかりの日本酒をろ過せず白く濁ったまま詰めたものです。

コクを感じるタイプのお酒が多いです。

しずく取り

搾らずに重力で落ちてきたしずくだけを集めて詰めたものです。

とても高級なお酒になります。

中取り

日本酒を搾るとき「あらばしり」の次に出てくるものを詰めたものです。

新酒の時期に出回ります。

ひやおろし

春先に出来上がった日本酒を夏の間寝かせ、秋口に出荷する生詰酒です。

一年で最もおいしいといわれます。

香味タイプでの分類

香りの高低と味の濃淡で4タイプに分類する場合使われます。

  • 熟酒(じゅくしゅ)
  • 薫酒(くんしゅ)
  • 醇酒(じゅんしゅ)
  • 爽酒(そうしゅ)

熟酒

熟成タイプ・・・熟成系・古酒系

香り高く味が濃い

米の旨味やコクが特徴です。

熟成による個性的色合いと深い香味が特徴です。

お好みの温度で、じっくりゆっくり楽しむのがおすすめです。

薫酒

香り高いタイプ・・・大吟醸系・吟醸系

香り高く味が軽やか

果実や花のようなフルーティーな香りが特徴特徴です。

軽めのお酒が多く、少し冷やして飲むのがおすすめです。

醇酒

コクのあるタイプ・・・純米酒系

香り控えめコクがある

米の旨味やコクが特徴です。

常温はもちろん、燗にするとさらに旨味が増します。

爽酒

スッキリタイプ・・・生酒・普通酒・本醸造系

香り控えめ味は軽やか

淡麗、軽快でスッキリした味わいが特徴。

よく冷やして飲むとキリッと爽やか感が増します。

酒母による分類

日本酒を造るときのアルコール発酵のもとになるのが酒母です。

もろみの発酵に必要な酵母を培養したものです。

酒母は3種類あります。

  • 速醸酛(そくじょうもと)
  • 生酛(きもと)
  • 山廃酛(やまはいもと)

主流は速醸酛を使った速醸造りですが、現在でも生酛仕込み、山廃仕込みも行われています。

速醸仕込み

酵母以外の雑菌が繁殖しないように、人工的に乳酸を加えて作った酵母が速醸酛です。

雑菌が乳酸を嫌う性質があるため、乳酸を使います。

酒母は2週間程度で出来上がるため、酒造りがスピーディーに進みます。

味わいもシンプルなので、現在の主流は速醸仕込みとなっています。

香り高くさっぱりしてクセのない日本酒になります。

吟醸造り最適といわれます。

生酛仕込み

空気中に存在する乳酸菌が乳酸を作るのを待ち、自然な乳酸を利用するのが特徴です。

雑菌の繁殖を防ぐため、厳寒期の深夜に蒸し米と麹を練る作業「山おろし」をする必要があり、大変な重労働でした。

酒母を作るのに1ヶ月かかります。

出来上がった日本酒は格別の味わいになります。

コクと旨みがありながらもスッキリとした飲み口の日本酒になります。

現在の「山おろし」は機会を使っています。

山廃仕込み

生酛仕込みの「山おろし」作業を省いたものが山廃仕込みです。

山廃仕込みでは「山おろし」作業の代わりに、麹を水に浸した「水麹」から出た酵素を蒸し米にかけて仕込みます。

酒母を作るのに約1ヶ月かかります。

濃厚で旨みがあり、骨太な味わいになります。

まとめ

日本酒にはさまざま分類があり、専門用語も多いのでわかりにくいと思われるかもしれません。

日本酒は焼酎やワインと同じで知れば知るほど奥深いお酒です。

たまには日本酒を飲んでみませんか。

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