谷口酒店では、過去数十年にわたり商品として球磨焼酎をあつかってきました。
球磨焼酎のブランデイングは、蔵元の方や行政の方も含め、
地域みんなで協力してやってきました。
しかし、鹿児島県や宮崎県のイモ焼酎、大分県の麦焼酎と比較すると、
ブランディングとしてはまだ道中半です。
九州以外での知名度はまだまだです。
九州でも北部にお住いの方は「球磨焼酎」って何?
という方は多いです。
そこで、改めて球磨焼酎について書いてみます。
球磨焼酎とは
「球磨焼酎」というのはブランド名です。
文字通り「球磨」という地名+焼酎なのですが、「球磨」という地名を冠するには決まりごとがあります。
① 米のみを原料とし
② 人吉球磨の地下水で仕込んだもろみを
③ 人吉球磨で蒸留しびん詰めする
3条件を満たさないと「球磨焼酎」と名乗れません。
国税庁から告示されています。
そして、世界貿易機関(WTO)によって、
地理的表示の産地指定を受け国際的にブランドが保護されています。
スコッチウイスキーとかボルドーワインとかと同じ位置づけです。
球磨焼酎の歴史
九州山地の険しい山の中のある球磨盆地は、
今でこそ鉄道が通り高速道路も通っていますが、
昔は「陸の孤島」と呼ばれていました。
盆地という地形上豊かな湧水と肥沃な土壌があり米どころでした。
同時に外からの影響を受けなかったため、
独自の文化が育まれてきました。
球磨焼酎が作られるようになったのは
15世紀からといわれていますが、
正確なところはわかっていません。
盆地であるがゆえに500年も前からの文化が
現在も残されているのかもしれません。
焼酎造りが盛んになったのは
江戸時代になってからといわれています。
原料となる米は藩の重要な物資であったのですが、
「球磨焼酎」は藩にとって収入源となったため
国酒として造られるようになりました。
このころは焼酎が飲めたのは武士だけでした。
明治時代になってから江戸時代の制度がなくなると、
焼酎造りは盛んになり、庶民の普段のお酒となっていきました。
昭和時代になって減圧蒸留方式の飲みやすい焼酎が作られ始めると、
全国に出荷されるようになりました。
球磨焼酎の種類
大きく分類すると蒸留方式の違いから2つに分けられます。
① 常圧蒸留酒
② 減圧蒸留酒
常圧蒸留とは、水の温度が100℃の状態
つまり大気圧化でもろみを沸騰させアルコールを抽出する方法です。
独特な香りと深い味わいがあり、
昔ながらの球磨焼酎ファンに根強い人気があります。
減圧蒸留とは蒸留機の空気を真空ポンプで吸い出し、
気圧を下げることで沸点を下げて蒸留します。
焼酎の風味はそのままで、
さわやかで軽快な味わいとなります。
減圧蒸留酒はその飲みやすさから
全国に広がった焼酎ブームの火付け役となりました。
蒸留方法の基本は同じでも蔵元や銘柄によって味わいは様々です。
是非お気に入りの焼酎を見つけてみてください。
商品はこちらでごらんいただけます。
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