焼酎醸造に使う種麹には、黄、黒、白、3種類の麹があります。
焼酎造りには「一麹、二元、三造り」という言葉があります。
焼酎造りに麹は重要な役割を果たします。
焼酎造りにおける麹の役割
麹菌が増える際、主原料となる米に含まれるでんぷんをブドウ糖に分解します。
ブドウ糖が酵母の栄養となりアルコールを造りだします。
また、麹から出るクエン酸により雑菌の繁殖を防いでいます。
雑菌がないことでもろみが腐らず、発酵が進むのです。
黄、黒、白、3種類の麹の違い
黄麹
100年前くらいまでは日本には黄麹しかありませんでした。
球磨焼酎だけでなく日本酒も黄麹を使って造られていました。
黄麹はクエン酸を分泌しないため、のちに管理がしやすい黒麹や白麹が主流となっていきます。
クエン酸をつくらない黄麹は、雑菌が繁殖しやすいので、温度管理と衛生管理に気を使います。
球磨人吉では気温の下がる冬場に焼酎を仕込んでいました。
もちろん現在でも、仕込みの本格期は新米収穫後の晩秋から初冬です。
しかし、 年間通じて焼酎の仕込みをしている蔵もあります。
黄麹を使った焼酎は、淡麗で爽快な焼酎になり、日本酒の吟醸香のような香りがします。
最近は、黄麹が見直されいくつかの銘柄が黄麹を使って造られています。
黒麹
暑い沖縄で造られる泡盛に黒麹が使われていました。
明治時代に黒麹を九州に持ち込み、焼酎が造られるようになりました。
泡盛はクエン酸が出る黒麹を使っていたため、暑い沖縄でも安全に仕込みができたのです。
黒麹を使った焼酎は、芳醇な香りとどっしりしたコクと旨みが特徴です。
球磨焼酎も 昭和初期から昭和40年代までは黒麹仕込みが主流でした。
現在、黒麹を使った焼酎には「黒・・・」「黒麹仕込み・・・」と銘柄名に黒麹を使っていることがわかるようになっているものが多いです。
イモ焼酎の「黒霧島」とか「黒白波」とかと同じです。
白麹
白麹は黒麹の突然変異から生まれたといわれています。
黒麹の中にあった褐色の胞子を純粋培養して造られたといいます。
白麹は真っ白なイメージがあるかもしれませんが、褐色で黒麹より白っぽいため白麹と呼ぶようになりました。
白麹は黒麹同様クエン酸を分泌し、軽快でマイルド、キレがよく爽やかな焼酎ができあがります。
まとめ
白麹を使った焼酎は、昭和40年代後半の第一次焼酎ブームの時、口当たりが軽い飲みやすい焼酎として、一気に生産量が増えました。
昭和50年代後半の第二次焼酎ブームの際には、白麹を使った焼酎が主流になっています。
平成時代に入ると、焼酎も個性が重視されるようになり、黒麹が再び脚光を浴びています。
昔は温度管理ができなかったため敬遠されていた黄麹ですが、最近はレアな黄麹を使った焼酎造りが注目されています。
球磨焼酎を選ぶときには、使用している麹の種類も調べると面白いかもしれません。
黄色麹を使用した焼酎
黒麹を使用した焼酎
白麹を使用した焼酎
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